№021 ツアー・オブ・ジャパン第2ステージ

TOJ第2ステージ


奈良ステージは全ステージ中で最も俺への応援が多いし、一番良い姿を見て欲しいと思って走っているステージだ。
家から40キロほどの距離でたまに練習に行く場所でもあり、住所のある大阪府よりもトレーニングで馴染みのある奈良ステージのほうが俺にとって地元的感覚なのは当然だろう。
東大寺をスタートし布目湖の周回コースまではパレード走行。しかし水間峠を越えるルートは想像以上に消耗する。ゆっくり走っていてもきつい。ここではいかに脚を温存して走れるかが重要だ。
周回コースに入ってアタックが繰り返される。毎年のことだが、この序盤の揺さぶりでもいかにして無駄な労力を使わないようにするか、それが焦点だろう。
中盤には昨日も逃げたベロフォシクスが再び逃げる。彼の独走力は俺がベルギーで走っていた当時と何も変っちゃいない。昔の俺なら躊躇なく便乗させてもらうところだが、つい天秤にかけて躊躇してしまった。
リーダーチームである香港は完全にだんまりを決めこんで先頭に出てこない。そして第二波でデュマを含む小グループがアタックしていった。
デュマは俺がランドバウクレジットをやめた翌年に加入した選手だ。ポポヴィッチのアシストをしていたのが印象的。その彼のアタックは本物のヨーロッパプロのスピード。長らく見ていなかった本物のスピードだった。

昨日から乗り換えたバイクはトップ長が自分にフィットしているものよりも2センチほど短い。そのフィットしていないバイクでなんとか走っていくが、走るごとに徐々に体のフィット感にズレが生じ、力がスムーズに入らない。後半スピードが上がり始めた状態で限界になり、ラストの登りで集団から離れてゴールに向かった。

真理は集団の先頭でゴールし6位。あの集団で頭を取るとはたいしたものだ。
一日休養日(移動日)をはさんで飯田でのステージ。舞台は山岳コースへと変わる。