№033 ツール・ド・インドネシア第3ステージ

’06ツール・ド・インドネシア


Stage3 Cirebon-Purwokerto 187.3km
今大会最初の山岳賞設定のあるステージ。186キロのステージで146キロ地点に山岳賞がある。およそ14キロほどで600mアップ。プロフィールだけを見ているとそれほどきついものじゃない。明日の250キロステージで1400m越えを2回するほうがはるかにきついだろう。今日は大きな動きはないのでは?と思いスタート。しかし実際はまったく違った。プロフィールからは想像も出来ないほどの急坂が待ち構えていたのだった・・・
総合2位、そしてスプリント賞も2位。いい位置といえばいい位置だが、どちらもジャージに一歩届いていない。まだ1週間も残しているのだから無理にリーダーになる必要はない。しかし総合優勝をするにはそれなりの登坂力を試されるこのツアーでは、個人的には一日でもいいからリーダーに袖を通せるのなら、そうしておきたい。
その方が総合3位にいる福島に対しても良い存在価値になりうる。もし俺が遅れた場合、先頭に出ない理由にできる。

スタートからリーダーのコウデントソフらは先頭をコントロールしない。あくまでも狙いは区間で、総合レーサーじゃない、と言うのが理由だ。理にはかなっているが迷惑な話だ。俺たちはある程度逃げを作る方向で攻撃を仕掛けてみる。
前半もそろそろ終わろうと言う頃、4人ほどの逃げが決まる。有力選手が含まれているわけじゃない。だがリーダーチームも逃げを容認しているため、かなり逃げ続けられてしまう。その後新たに3人が抜け出し、合計7人が集団をリードしている。

そしてジャイアントが最初に我慢できなくなり、ジャイアントと日本チームで追走を開始することになる。
お互い1人ずつを先頭に提供。日本からは福島弟が先頭に。そのスピードは抑えるように言っても速いぐらいだ。そしてスプリント賞ポイントを終えて登りに差し掛かる。それはビジュアル的にかなりヤバい登りだ。
200mほどを15%前後で登っては緩い登りが数百メートル。その繰り返しで後半はどんどん傾斜がきつく、そして長くなっていく。
総合3位の福島をコウデントソフはマークし、俺がその後ろでプレッシャーを与える。だが登り始めて3キロほどでリーダー、そしてスプリント賞のシュルツェが千切れる。
イランチーム、そして飯島らが集団を振るいにかける。俺は何とか集団に喰らいついていく。さすがに41Tのインナーではきつい。俺も残り5キロほどで耐え切れなくなり集団から離れる。
その時点で集団は既に40人ほど。後方にはまったく誰も見えない。後で三浦監督から聞いたのだが、後方は止まるほどのスピードで、蛇行しながら登っていたらしい。

峠の後半はそれこそ20%ほどあるところもあり、俺も今にも止まりそうになりながら登っていく。
峠の頂上で3人。下りのコーナーがきついようなら昨日のステージのようにかなり追い込んで前に追いつけるかもしれない。俺はかなりスピードを上げていくが、思ったほどコーナーがきつくないことでなかなか前に追いつけない。それでも前の数人のグループに合流、徐々にグループを大きくしていき、15人ほどのグループにしてしまう。

ゴールしてみると先頭からは6分ほど遅れ。思った以上に大差だった。多分峠の頂上で3分ほど遅れているのだろうか。
区間賞は飯島。2人で逃げ切ったらしい。後方メイングループに廣瀬、福島兄がいたことでチームの区間成績も1位。
福島弟は峠の入り口まで素晴らしいアシストぶりで、そのまま千切れ、ほぼ最下位でゴール。

福島兄が総合2位。俺は総合では5分遅れで総合では圏外になったが、それでもスプリント賞は相変わらず2位。チーム総合も1位とほぼ完璧なレース展開だ。あとはこのポジションを維持して徐々に回りの壁を崩していくのが消耗せずに好ましい。

明日は今大会中、最大の山場がやってくる。それは俺の、いや日本チームにとって試練の始まりとなるステージだったのかも知れない・・・

区間成績
1位 飯島
2位 ハルター 同タイム
3位 ジャムスラン +50秒
8位 廣瀬 +50秒
20位 福島兄 +50秒
41位 三船雅彦 +6分45秒
89位 福島弟 +28分3秒

総合成績
1位 ジャムスラン
2位 福島兄 同タイム
3位 マッキャン +4秒
6位 廣瀬 +6秒
11位 飯島 +1分42秒
25位 三船雅彦 +5分55秒
77位 福島弟 +30分7秒

スプリント賞
1位 シュルツェ      10ポイント
2位 三船雅彦       同点