№004 お誕生日おめでとう 森高多美子

三船選手は1969年1月8日生まれ、今年37歳だ。事故や大ケガと隣り合わせのこの競技、「ここまで、よくぞご無事で」と単純にめでたい気持ちになる。しかし、見ている方はそれですんでも、当の本人は、ここにたどり着くまで並々ならぬ努力をしてきたはずだ。
 阪神の金本は68年4月生まれ、サッカーのカズは67年2月生まれだ。
彼ら見ていると、こういうことをストイックと言うのだろうなと思う。そして、それがあってはじめて、長い現役生活が可能になるのだと思う。
 何気なさそうに競技生活を続けている三船選手も、カズや金本と同じように食べるものに気を使い、鍛錬を続けてきたことだろう。そして、何よりそれを支える強靭な精神の持ち主なのだ。敬意を表したいと思う。
 三船選手のスゴイところは、ただレース界の重鎮としているだけではなく、常にレースの展開にからむ危険な存在であり続けていることだ。過去の実績や口だけの説教でなく、いままさに動いているレースの中で、その走りで手本を示せる貴重な存在だ。ぜひぜひ、一日でも長く走り続けてほしいと思う。
 クールでニヒル、かつ、やんちゃで暴れん坊な三船選手の走りが今年も見られることに感謝して、お誕生日のお祝いとしたい。
お誕生日、おめでとう!


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プロフィール

森高 多美子(もりたか たみこ)
スポーツライター
ツールド北海道にテーマを得た『逃げる男』で
2004年 Numberスポーツノンフィクション新人賞受賞。
自転車のほかサッカー、野球でも執筆中。

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